【ブログ】美しく波打つ。ヴィンテージバイアスとハーモニックトレモロを1つに。Subdecay Vagabond。

古くから、トレモロエフェクトは多くの場面で使われ、また進化を続けてきました。特にギターアンプに搭載されたトレモロエフェクトは、そのアンプの時代によりスタイルが異なり、そこから音色も違っています。

Subdecay Vagabondは、いつの時代にも常に進化を続けてきたエフェクトを作ります。
トレモロエフェクト。ヴィンテージトレモロの個性を再現し、さらに独自の機能を加えることができます。

トレモロエフェクトは、音量を上下させるエフェクトです。ワウやファズ、ディレイのような効果とは違い、簡単であり、ある意味退屈な定義かも知れません。しかし、多くの楽曲でトレモロは効果的に使われ、様々な表現を行ってきました。
多くのエフェクトや音楽がそうであるように、初期のトレモロは不完全であり、そして不完全だからこそヴィンテージトレモロでしか作ることのできない効果がありました。

ブラックフェイスなどに使用されたバイアストレモロは、パワーアンプのバイアス電流を使用したトレモロエフェクトです。うっすらと歪みがかかったサウンドが特徴。さらに古いブラウンフェイスなどでは、プリアンプのバイアス電流を使用するハーモニックトレモロが搭載されていました。ハーモニックトレモロは厳密にはトレモロエフェクトではなく、ハイパスフィルターとローパスフィルターのクロスフェードからなるエフェクトで、後にフェイザーやヴィブラートのヒントとなりました。

どちらもLFOを使用してエフェクトをかけています。LFOは可聴域外なので音として聞こえることはありませんが、アンプのグリルを外してみるとLFOの動きに合わせてスピーカーが動いているのが見えます。

この構造上、バイアストレモロもハーモニックトレモロも、設定範囲に制限があります。LFOを早くしすぎるとノイズとして出力されてしまいます。時に実際にノイズが聞こえることもあります。

チューブアンプのLFO自体も制限がありました。ほとんどのチューブアンプに使われたLFOは3極管1本のフェイズシフトオシレーターを使用しています。このセットアップは広い周波数レンジでは動作しません。トライオードステージとマルチギャングポテンショメータで範囲を拡大することもできますが、それはプレミアムな真空管を使い、手作業で組み上げられたアンプのみです。そこまで複雑な構造を多くのアンプメーカーは採用しませんでした。

Subdecayはモジュレーションエフェクトには自信を持っています。トレモロエフェクトの制作も何度も試行錯誤を行いました。DLXペダルのようなトレモロを考えたこともありますが、余分な機能は不要だと考えました。そして、プリンストンリバーブのトレモロ回路をもとに、開発をはじめました。

そして完成したVagabondには、1つユニークな機能を持たせました。Prometheus DLXの制御方式を用いたエンベロープスピードコントロールです。
これは強いアタックに対し、スピードを早めたり遅くしたりすることができます。スピードを早めれば、強く弾いたときのトレモロ効果を強調するように使うことができます。逆にスピードを遅くすると、強く弾いたときの音を強調し、サステインにトレモロがかかっていくような効果を作ります。

Subdecay初のトレモロエフェクト、Vagabondは、長年に渡るアイディアと実験、探求の成果なのです。

LEP INTLSubdecay, Tremolo